練り香をつくった。

練り香をつくった。香水はかれこれ高校生のころからつくっているが、練り香は初めて。
そもそも香水を作り始めたきっかけというのは、『セント・オブ・ウーマン』という映画を観たのがきっかけだった。
劇中に出てくるGuerlainのMitsoukoやCaronのFleur de Rocaille、Ogilvie Sister Soapなどの香水が当時の僕には革命的に洒落ていて、それで色々香水屋を探してまわった。しかし田舎の小さな香水屋にはブルガリやディオールがあるばかりで、キャロンなどは全くなく、もちろんあっても買えなかっただろうが、というわけでぼくはなぜかベルサーチのブルージーンズを買ったりしていた。
ブルージーンズに嫌気がさしたぼくが独自にコロンやアロマオイルをブレンドして、初のオリジナル香水は『Let It Be』と命名され、瓶にビートルズのステッカーを貼って完成した。しかしただブレンドしただけのそれはあまりオリジナルなものとはいえず、大学に入って香水作りはやめてしまった。
余談だが、キャロンの「ミツコ」には、庭園美術館で開催された香水瓶コレクションで発売当時のものを拝見することができて、すこぶる感動した。「フルール・ド・ロカイユ」はモネの『睡蓮』にインスパイアされたという香りで、ミツコと同様、リニューアル版であれば今でもわりと安価に手に入る。

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ミツコ

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フルール・ド・ロカイユ


大学1年生のころにユイスマンスという作家の『さかしま』という本を読んで、その日に香水作りを再開した。物語では、デ・ゼッサントなる人物が、香りを抽出する巨大な機械によって調合するシーンや、処女の体液を抽出した丸薬などが出てきて、またもやぼくの中で香水というものが、「自分で調合するものだ」という意識を持ち始めたのだ。アロマオイルと精製水とエタノールを使って調合された香水(正確にはパフュームより濃度の低いパルファン・ド・トワレだが)は『デ・ゼッサント』と名付けられた。

そして今回初めて練り香をつくった。
ビーワックスとエッセンシャルオイルと香料さえあれば簡単にできる。ブレンドの割合によってハンドクリームにもリップクリームにもできる。
香りは「ミツコ」に想いをよせ、ベルガモットとフルーツをメインにした天才的なブレンドに成功した。

以上。


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